老老介護の末の悲劇「承諾殺人」・・・
本日の天風録の承諾殺人を判例にして、
「介護とは」「介護保険制度とは」「介護サービスとは」等について
考えてみた。
【 本日(2021.07.03)の天風録 】
「今日(きょう) 死(し)ぬか」と 72歳(さい)の 夫(おっと)が 問(と)う。寝(ね)たきりの 80歳(さい)の 妻(つま)は 「ええよ」。それが 49年間(ねんかん) 連(つ)れ 添(そ)った 2人(ふたり)の 最後(さいご)の 会話(かいわ) だった という。4月(がつ)30日(にち) 朝(あさ)、広島市(ひろしまし)安佐北(あさきた)区(く)の 自宅(じたく)で、夫(おっと)は 妻(つま)の 首(くび)を マフラーで 絞(し)めた。自分(じぶん)も 手首(てくび)を 切(き)ったが、後追(あとお)いは 果(は)たせなかった
▲ 妻(つま)は 6年(ねん)ほど 前(まえ)の 脳梗塞(のうこうそく)で 左半身(ひだりはんみ)まひとなり、介護認定(かいごにんてい)は 受(う)けた ものの、施設(しせつ)への 入居(にゅうきょ)を 拒(こば)み 続(つづ)けた。自宅(じたく)で 面倒(めんどう)を 見(み)てきた 夫(おっと)は、がんが 再発(さいはつ)し、心身(しんしん)ともに じわじわ 追(お)い 詰(つ)められて いく。2人(ふたり)に 子(こ)どもは いなかった
▲ 承諾殺人(しょうだくさつじん)の 罪(つみ)に 問(と)われた 夫(おっと)は 法定(ほうてい)で 「一緒(いっしょ)に 逝(い)けなくて、ごめん」と、あやめた 妻(つま)に わびた。ほかに 方法(ほうほう)は なかったのかと 問(と)われ 「あったのかな。でも、なかったなあ とも 思(おも)います」
▲ きのう 広島地裁(ひろしまちさい)は 懲役(ちょうえき)3年(ねん)、執行猶予(しっこうゆうよ) 4年(ねん)の 判決(はんけつ)を 言(い)い 渡(わた)した。猶予(ゆうよ) 付(つ)きは 夫(おっと)の 事情(じじょう)を 酌(く)んだ ため だろう。同時(どうじ)に、夫妻(ふさい)の SOSが 弱(よわ)かった としても、老老介護(ろうろうかいご)を 支(ささ)え きれない 社会(しゃかい)全体(ぜんたい)を 断罪(だんざい)する 判決(はんけつ)にも 思(おも)えてくる
▲ 裁判官(さいばんかん)は 夫(おっと)に こう語(かた)り 掛(か)けた。「これからは 自分(じぶん)を 第一(だいいち)に、体(からだ)を 大事(だいじ)に、心穏(こころおだ)やかに・・・」。コロナ禍(か)だから なおさら、周囲(しゅうい)の 高齢者(こうれいしゃ)が 孤立(こりつ)を 深(ふか)めて いないか、地域社会(ちいきしゃかい)の 目配(めくば)り、気配(きくば)りが 問(と)われて いる。(ー引用ー)
介護の現場で働きながら、家で親の介護していると、
地域社会の目配り、気配りの大切は十分に理解できる、
だからと言って、
すぐに介護サービスと繋げ、施設入所へと言われても
施設で働く職員も十分に足りている訳でもなく、
負担ばかりを介護職員が負うようになるのではないかと危惧する
そうなると、
介護職員の離職率も高まり、
回り回って介護保険制度や介護サービスの意味が
無くなるのではないかと
複雑な心境になる。
最後に、あなたに質問です。
あなたは、介護の難しさ、老老介護の大変さについて考えたことありますか?