中国共産党 創立100年・・・
中国共産党は、1921年の創立から今月で100年。
北京の天安門広場で大規模な祝賀式典が開かれ、
その中で、習近平国家主席の演説が注目されていますが、
あなたの目には習近平国家主席の政策、どのように映っていますか?
そんな本日の天風録では、毛沢東時代に活躍した
小説家であり劇作家でもる「老舎」という人物について
教えてもらいました。
【 本日(20201.07.02)の天風録 】
ノーベル文学賞(ぶんがくしょう)も 夢(ゆめ)では なかったのに、失意(しつい)の 内(うち)に 入水(にゅうすい)した 文豪(ぶんごう)が 中国(ちゅうごく)に いた。老舎(ろうしゃ)という。代表作(だいひょうさく)の 「らくだのシアンツ」では 人力車(じんりくしゃ)を 引(ひ)く 青年(せいねん)を 主人公(しゅじんこう)に、がらっぱちな ※1 庶民(しょみん)の 哀歓(あいかん)※2 を 描(えが)いた
▲ 日中戦争(にっちゅうせんそう)の さなかには 文人(ぶんじん)の 抗日(こうにち)組織(そしき)の 代表(だいひょう)に 推(お)され、思想(しそう)信条(しんじょう)の 垣根(かきね)を 越(こ)えた 結束(けっそく)に 力(ちから)を 尽(つ)くす。日本(にほん)の 敗戦(はいせん)を 経(へ)て 毛沢東(もうたくとう)らが 新(しん)中国(ちゅうごく)を 建国(けんこく)する 時期(じき)は、渡米中(とべいちゅう) だった。ために 「足(た)りないのは 老舎(ろうしゃ)先生(せんせい) だけだ」とまで 言(い)われた ほどの「要(かなめ)」 だった
▲だが 革命(かくめい)が 成(な)った 後(のち)の 混乱(こんらん)は 老舎(ろうしゃ)にも、いわれなき 罪状(ざいじょう)を 押(お)し 付(つ)ける。100年(ねん)を 祝(いわ)う 中国共産党(ちゅうごくきょうさんとう)の 年譜(ねんぷ)は、どう 刻(きざ)むの だろう
▲ 毛沢東(もうたくとう)は 当初(とうしょ)「連合政府(れんごうせいふ)」を うたうった いう。民主党派(みんしゅとうは)を 取(と)り 込(こ)む ことで 落(お)ち着(つ)くと 一転(いってん)して 各(かく)党派(とうは)の 人士(じんし)たちを 迫害(はくがい)し、やがて 老舎(ろうしゃ)も 巻(ま)き 込(こ)まれる。「中国(ちゅうごく)は 一党(いっとう)独裁(どくさい)の 国(くに)に あらず」という 公式(こうしき)見解(けんかい)を 聞(き)いても、形(かたち)だけの 民主(みんしゅ)主義(しゅぎ)としか 思(おも)えない
▲ 作家(さっか)水上 勉(みずかみ つとむ)は 北京(ぺきん)に 老舎(ろうしゃ)の 「四合院(しごういん)造(つく)り」の 旧宅(きゅうたく)を 訪(たず)ね、あるじ なき 柿(かき)の木(き)を 仰(あお)いだと 記(き)す。中庭(なかには)を 囲(かこ)んで 大(だい)家族(かぞく)が 暮(く)らす 伝統的(でんとうてき)な 住(す)まいも、五輪(ごりん)に 伴(とのな)う 再(さい)開発(かいはつ)で 多(おお)くが 消(き)えた という。あまたの 人(ひと)たちの、ささやかな 夢(ゆめ)を 食(く)った 巨竜(きょりゅう)の 100年(ねん)でもある。(ー引用ー)
本日の語彙
※1 「がらっぱち」とは、言葉や動作が荒っぽくぞんざいなこと。そういう人。
※2 「哀歓(あいかん)」とは、悲しみと喜び。
感想・気付き等
本日の天風録を「読み・書き・タイピング」していますと、
日本の明治維新の西郷隆盛を思い出してしまい、
いつの世も、国が違えども、改革が行われる時には、
善人者が犠牲になるものなのだろうと思いました。
最後に、あなたに質問です。
毛沢東時代に活躍した老舎の作品読んでみたいと思いませんか?
【中古】 駱駝祥子—らくだのシアンツ (岩波文庫)/老舎【作】;立間祥介【訳】