呼び名を替えただけでは・・・
中国新聞天風録を「読み・書き・タイピング」し、
世の中の出来事を学び、
認知症を防ぐ取り組みで
「考える力」の脳トレに
励んでいます。
【 本日(2021.06.03)の天風録 】で学び、考えてみました。
書家(しょか)で 詩人(しじん)の 相田(あいだ)みつをさんは 息子(むすこ)の 一人(かずひと)さんを 授(さず)かった 時(とき)、「平凡(へいぼん)」と 名付(なづ)けようと した。周(まわ)りは すげなく ※1、ならばと 今度(こんど)は 「凡平(ぼんぺい)」に。後先(あとさき)を 入(い)れ替(か)えた だけだった。よほど、こだわりが あったの だろう
▲「当(あ)たり前(まえ)」が、どれほど 尊(とうと)い ことか。戦争(せんそう)で 2人(ふたり)の 兄(あに)を 失(うしな)った 人間(にんげん)として、人(ひと)一倍(いちばい)身(み)に 染(し)みて いたのかも しれない。誰(だれ)の 名前(なまえ)にも 大(だい)なり小(しょう)なり、命名(めいめい)した 側(がわ)の 思(おも)いや 時代(じだい)が 映(うつ)っている
▲世界保健機関(せかいほけんきかん)(WHO)が 先日(せんじつ)、新型(しんがた)コロナウイルスの 変異株(へんいかぶ)に ついて 世間(せけん)に 広(ひろ)まっている 呼(よ)び名(な)に 注意(ちゅうい)を 促(うなが)した。これまでのように 検出(けんしゅつ)先(さき)の 国名(こくめい)で 流布(るふ)※2 すれば、偏見(へんけん)や 差別(さべつ)を 招(まね)き かねないからである
▲先(さき)の 米国(べいこく)大統領(だいとうりょう)も 「中国(ちゅうごく)ウイルス」と しつこく 繰(く)り返(かえ)し、汚名(おめい)を 着(き)せた。それが 引(ひ)き金(がね)と なり、アジア系(けい)市民(しみん)らへの 憎悪(ぞうお)※3 を 呼んだ。〈トランプなのに、ハートがない〉。名前(なまえ)も 知(し)らぬ人(ひと)の、そんな 警句(けいく)※4 も 出回(でまわ)ったっけ
▲英国株(えいこくかぶ)は アルファ株(かぶ)、インド株(かぶ)は デルタ株(かぶ)という ふうに ギリシャ文字(もじ)で 呼(よ)び替(か)える WHO案(あん)を、日本(にほん)政府(せいふ)も 受(う)け入(い)れる という。なじみ ※5 の 薄(うす)い 横文字(よこもじ)が、すんなりと 社会(しゃかい)に 行(い)き渡(わた)るか 否(いな)かは 心(こころ)もとない。とはいえ 名(な)を 改(あらた)めた 変異株(へにかぶ)が どうか、鎮(しず)まり ますように。
※1 「すげなく」とは、愛想がなく、冷淡に そっけなく、あっさりと、などといった意味の言い回し。
※2 「流布(るふ)」とは、世間に広まること。広く知れ渡ること。
※3 「憎悪(ぞうお)」とは、憎しみきらうこと。
※4 「警句(けいく)」とは、短い中に、物事の真理や奇抜なすぐれた考えを含ませた言葉。
※5 「なじみ」とは、なれ親しんで知っていること。
あなたは、本日の天風録で何を学び、どう考えましたか?
ちなみに、
私は、新型コロナウイルスの変異株の呼び名を改めることも大事ではあると思うのですが、
それよりも
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐことを考える方が良いのでは…と思う次第です。