環境問題、回り回われば健康問題・・・
【 本日(2021.05.19)の天風録 ↓ ↓ ↓ 】
房総半島(ぼうそうはんとう)沖(おき)の 深(ふか)さ 5千(せん)㍍もある 海底(かいてい)で、有人(ゆうじん)の 潜水(せんすい)調査船(ちょうさせん)が プラスチックごみを 見(み)つけた。ポリ袋(ぶくろ)と 共(とも)に あった 食品(しょくひん)の 包装袋(ほうそうぶくろ)には、昭和(しょうわ)59年(ねん) 製造(せいぞう)と 37年(ねん)前(まえ)の 刻印(こくいん)※1 が あったと 聞(き)く
▲紫外線(しがいせん)に さらされ、波(なみ)や 砂(すな)に もまれて 砕(くだ)かれた マイクロプラも 無数(むすう)に 散(ち)らばる。海(うみ)を 「プラごみの スープ」と 例(たと)えるのも 道理(どうり)※2 だろう。海産物(かいさんぶつ)を 口(くち)にする 身(み)として 浮(う)かぶのは、劇(げき)作家(さっか) 寺山 修司(てらやま しゅうじ)の 短(みじか)い 詩(し)である。〈なみだは にんげんの つくる ことの できる いちばん 小(ちい)さな 海(うみ)です〉
▲涙(なみだ)の 海(うみ)にも、プラごみの 化学物質(かがくぶっしつ)が 溶(と)け込(こ)んで いる かも しれない。その伝(つた)えに 倣(なら)※3 えば、肺(はい)という 「小(ちい)さな 空(そら)」を 痛(いた)め付(つ)け、ぼろぼろにした のが 建設(けんせつ)石綿(いしわた)だった。害(がい)を 甘(あま)く 見(み)てきた 企業(きぎょう)や 国(くに)の 姿勢(しせい)が、最高裁(さいこうさい)に よって 断罪(だんざい)※4 された
▲軽(かる)くて 強(つよ)く、腐(くさ)り にくい。ひとたび 型(かた)を 作(つく)ったら 大量(たいりょう)生産(せいさん)が 利(き)く。プラスチックは、昭和(しょうわ)の 高度(こうど)経済成長(けいざいせいちょう)を もたらした。建設石綿(けんせついしわた)とて 同(おな)じ だろう。燃(も)えにくく、腐(くさ)りにくくて 何(なに)より 安(やす)い。「魔法(まほう)の 材料(ざいりょう)」とも 呼(よ)ばれた
▲今(いま)や、あまた ※5 の 公害(こうがい)が 教(おし)えている。発展(はってん)の 光(ひかり)が 強(つよ)ければ、影(かげ)も また 濃(こ)くなる。海(うみ)や 空(そら)に 「毒(どく)」が 散(ち)らかると、つけは 人体(じんたい)という、もう一(ひと)つの 生態系(せいたいけい)に 回(まわ)って くる ことに なる。
(ー 引用 ー)
※1 「刻印(こくいん)」とは、刻みつけること。
※2 「道理(どうり)」とは、物事の正しいすじみち。また、人として行う正しい道。
※3 「倣え(なら)え」とは、「まねをする」という意味。
※4 「断罪(だんざい)」とは、有罪の判決を下すこと。
※5 「あまた」とは、たくさん。数多く。
結局のところ、環境汚染、環境問題は回り回れば人体に影響を及ぼし健康問題になるってこと。
環境にやさしい取り組みを行えば、人体にも心にも良い結果をもたらすってこと...